オレがエボでレースデビューしたのは02年のときだった。最初は、ほかのチームのほとんどがAYCなどの機能を外していたから、エボに付いているそうした機能をまったく認めていなかったんだ。GTレースなんかと違って、スーパー耐久っていうカテゴリーは純粋に市販車をベースにしたレースでしょう? ようは市販車のできがすべてなわけ。それがレースで使えないんじゃ・・・、と思ったんだ。
でもその後、AYC付きのエボでレースに出場することになってびっくり。レースでも使える前後や左右の駆動配分を、AYCやACDなど電子制御でやってのけた。これってすごいことだよね。たしかにそんなに必要としないサーキットもあるよ。でももてぎや仙台のように、大きい舵角で曲がっていくコーナーが多いサーキットでは、アドバンテージがある。
レースで通用する速いマシンはいっぱいあるよ。でもスーパーGTマシンのように、見た目は市販車でも、中身はまったく違い、ウン千万円のチューニング費用がかかっている。ポルシェのように手がかからないマシンもあるけど、ベース車両はけっして安くない。
300万円台でこれだけの速さを秘めたマシンとなると、エボしかないだろうね。
ランエボマガジンVol.29より抜粋
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