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極限レベルで走らせているからこそわかる エボの隠れた魅力をドライバーが語る

スーパー耐久レース参戦 関 豊

「電子制御を理解することで
エボの速さが引き出せる」

(C)ランサーエボリューションマガジン

ボクが初めてエボに乗ったのは、99年にスポット参戦したスーパー耐久でのエボVでした。当時は今のようにACDなどは装着されていませんでしたから、典型的な4WDのフィーリングです。つまり、コーナー入り口でアンダー、立ち上がりでアンダーといった散々なもので、あまりいい印象はありませんでした。

ですが、02年にシンリョウレーシングのエボVIIで参戦したときは、その旋回性の高さにビックリさしましたね。車体が変わって、ACDが搭載されて、4WDのデメリットだけが解消された感じ。非常に乗りやすかったことを覚えています。

(C)ランサーエボリューションマガジン

そして、チームはエボVIIIへとスイッチ。ACDに加えて、AYC搭載マシンとなったのですが、最初の1年はとにかく苦労しました。フィーリングはシャープでなく、軽い。つまり、マシンが動きすぎて、不安のほうが大きかったんです。まわりから「電子制御はやっかいだよ」などと聞かされてはいましたが、乗ってみると想像以上(笑)。「これは電子制御そのものを理解して、マシンの挙動を見越したドライビングが必要だ」と考え、サービスマニュアルや雑誌を読みあさり、三菱の開発スタッフにも数多くの質問をし思い出があります。

で、このときに痛感したのが、「エボはねじ伏せて乗るマシンじゃない」ということ。いくら恐怖と闘って極限域の走りをしても、電子制御を理解していなければタイムに結びつかないんですよ。

個人的には、古くから知られるレーシングカーとは違って、ハイテク武装なトップレベルのマシンだと考えています。昔のエボはダートマシンといったイメージが強かったんですが、最近だとスーパー耐久での活躍なども知られて、サーキットでもポテンシャルがあることを多くの方たちに理解してもらえているのではないでしょうか。

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