「ボクはランエボはもちろんだけど、その前にじつはGC8インプレッサにも乗っていたことがあってね。どちらかというと、エボのほうがストレスなく走れる。インプレッサはリヤがストラットで動きがいいし、前後バランスに優れている。ただ、あるところからグリップ力が落ちて、リヤが出るような動きがあるほうが、FRに乗ってきた感覚で走れる。そんなフィーリングがボクの走り方に合っていると思ったから、それからずっとランエボに乗り続けている。」
そんな石田さんにとって、電子デバイスはどのように影響しているのだろうか?
「インプレッサのDCデフは、当時まだ容量が小さくて、とてもじゃないが、電子でフル制御させるのが難しかった。むしろ、固定のままにしておいたほうが走りやすいくらいだったほど。
でも、ランエボのACDについては、速い段階でコンピュータによるセッティングができたから、ドライバーの好み、走りのステージに合わせることができた。
今でも忘れられないんだけど、キャロッセの加勢社長(故人)が、『石田クン、とにかく続けることだよ。ショップもラリーも続けることが大事。うち(キャロッセ)だって、商売が悪いときはチーム活動を休んだりして続けてきた。とにかく続けること。続けていればチャンスは絶対くるから』という言葉。
今シーズン調子がいいのは、この続けてきたおかげのチャンスがきたって感じがしているんだ(笑)」
ここで掲載している内容は、エボマガ紙面から一部内容を抜粋して掲載しています。「もっと読みたい!」というひとは、ぜひ本誌もチェックしてね! »
ラリードライバー
石田 正史
Ishida Masashi
20歳のころから、ラリーを始める。いとこの影響だったという。トヨタTE71で全日本ラリーに参戦する。「思っているよりオレって速いかも」というくらい好成績を残したと当時を振り返る。1985年からトヨタAE86でフル参戦をスタート。このころのFRドライブが、今ランエボを走らせていることにもつながっている。WRCポルトガルラリー(1992年クラス優勝)、1000湖ラリー、サファリラリーといった海外でのラリー経験も豊富。また、過去にはワークスドライバーとしてサスペンション、タイヤなど有名メーカーのラリー用品全般の開発に携わる。セットアップやパーツ開発のためのノウハウとして、糧となっている。昨年はラリー中の事故により負傷するも、不屈の精神で復活を遂げ、今シーズンは絶好調。ラリードライバーとしてだけではなく、ショップを経営する立場として一般ユーザーの「楽しいクルマ作り」にも貢献する。自分で納得したあとにラインアップされるオリジナルアイテムは、各方面で評価が高い。これはドライバーとして培われたものの大きさを物語っている。