スーパー耐久とスーパーGTの両カテゴリーに参戦。速さと確実にマシンをゴールラインまで運ぶ、マシンに優しいドライブに定評のある菊地靖選手。ランエボマガジンはもちろん、さまざまなチューニング雑誌のインプレッションドライバーを務めているので、知っている人は多いだろう。そんな菊地選手に、まずは初めてエボに乗ったときの印象を聞いてみた。
「初めてエボをドライブしたのは、十勝24時間レースの助っ人として11号車に乗ったとき。数多く参戦しているエボのなかでも、11号車は特別なマシン。ものすごく緊張したのは覚えている。
十勝の前に事前テストに参加する機会があったんだけど、その日はあいにくの雨。不安だったんだけど、癖がなく素直に曲がるマシンだな、というのが第一印象だったんだ。レース本番は惜しくも2位だったけど、ミスなく乗れたから少しだけチームに貢献できたかな?」
菊地選手といえばエボに乗る前、インプレッサでS耐にフル参戦をしている。
ここで興味深いのが、エボとインプの違いについてだ。
「エボとインプは足まわりやエンジン特性が全然違うので、慣れるまでに少し時間がかかったんだ。でも不思議なことにサーキットを1周してくると、ほとんど同じようなタイム…。なんで?って考え込んじゃったよ。
具体的には、インプはコーナーで頑張りすぎるとマシンが跳ねて、アクセルを踏めない。でも少し乗り方を変えてやると、スムーズに曲がってコーナリングスピード自体はエボよりも速かった。エンジンもトルク重視で、回転数をあまり上げずひとつ上のギヤを使う感じかな?
エボの場合、変な癖がなく、ドライビングスタイルをそれほど問わないで乗れたんだ。コーナーではしっかりブレーキングで車速を落とし、アンダーステアを出さないように旋回する。あとはアクセルを踏んでやればグイグイ前に引っ張っていってくれる。さらに電子デバイスによって姿勢を安定させてくれるから、ドライバーにとっては非常にラクチンって感じだよ」
ここで掲載している内容は、エボマガ紙面から一部内容を抜粋して掲載しています。「もっと読みたい!」というひとは、ぜひ本誌もチェックしてね! »
レーシングドライバー
菊地 靖
Kikuchi Yasushi
1972年10月18日生まれ。93年、富士フレッシュマンシリーズにてレースデビュー。デビュー2戦目には初優勝、計3勝を獲得しシリーズチャンピオンに輝く。95年よりN1耐久(現在はスーパー耐久)にGT-Rでフル参戦開始している。また97年、全日本GT選手権シリーズ(現在はスーパーGT)にスポット参戦。今年はスーパーGT&スーパー耐久の、両カテゴリーに出場。エボマガでもおなじみ、12号車のゼルスランサーエボワゴンにて活躍中だ。