2011年、今年もモータースポーツが開幕。
ということで去年はPN車両のエボⅩで全日本ジムカーナに挑戦していた私ですが、今年は改造範囲の広いN車両のエボⅨで地方選手権に挑戦します!
乗ったことのないエボⅨでの参戦は期待と不安でいっぱい。
不安を少しでも和らげるために一度練習に行きたかったけれど、エボⅨの準備が間に合わず、試合当日に自宅からサーキットまで運転したのが初めてという、まさにぶっつけ本番状態! なんでいつもこうなの?!と思いつつも、仕方がないので、もう当たって砕けろです。
慣熟歩行では、エボⅨがどんなクルマかまったくわからないので、「たぶんここらへんで3速入る……よね?」とか「ここは2速で曲れるかな?」とかすべてがあいまい。走行は2回あるから1本目は様子を見て、2本目で頑張ろう!そう決めていざ1本目!!
スタートは思いっきり失敗してのろのろ状態に。ツインのメタルクラッチはつなぐタイミングが全然つかめない……。そして走りだしたらサスペンションの減衰セッティングとタイヤの空気圧を間違えたみたいで、クルマがやたらはねてますます困惑。これじゃ、クルマの違いを確かめるところじゃないよ……。ただでさえアクセルを踏めない私なのに、こんなにはねちゃったらよけいに踏めない。とにかく無理はできないので、1本目はていねいに走ってゴール。順位は言うまでもなく、ビリでした。
1本目の結果をもとに空気圧と減衰力を調整して、今度こそちゃんと走れるようにいざ2本目に挑戦! 2本目もスタートがうまくいかない。やっぱりメタルクラッチが難しい……。でも、そのあとの走行は1本目よりはかなりよくなったみたい。減衰力と空気圧が決まり、はねがおさまってドライビングしやすくなりました。
このエボⅨもいいクルマだ!と思いながら気持ちよく走行中、コースの半分くらいに差しかかったところで1速にシフトダウンしようとしたら、いきなりギヤから「ギーー!!」という音が。
「うん?ギア入らなかったかな?」と思ってギヤを入れ直してアクセルを踏んでみた。でもエンジンの回転数しか上がらない。
まだギヤが入っていないのだろうか?と思ってもう一度入れ直したのですが、やっぱりエンジンが吹けるだけ。エボⅨはついにストップ。何度シフトレバーを操作してもギアが入る感触がない! 試しにバックギヤに入れてみると、クルマが動く。でも1速はやはり感触がないしクルマは動かない……。
そして、初めてのリタイヤ。エボⅨはオフィシャルの方々がコースの外まで押してくれました。コースを出てからも周りのドライバーの方々にも……。本当に感謝です。無事パドックまでたどり着いて、何があったのかを思い出しながら先輩たちに説明をすると「たぶん、シフトのピンが抜けたと思うよ」と言われました。くわしく聞いてみると、ラリー屋さんにとっては定番のトラブルで、とくにエボⅨはそのピンが抜けやすいそうです。そして、その原因はクルマがはねるから……。初めてのエボⅨとはいえ、自業自得のトラブルにがっくりです。
その後ミッションを下ろしてみたら、先輩たちの言ったとおりシフトのピンが抜けていました。対策として、そのピンをワイヤーで固定し抜けないようにしてもらいました。これで同じトラブルはもう起きない!またひとつ勉強できたということで、次戦こそはちゃんと走れるはず!?
小関あつみ
Ozeki Atsumi
1986年2月18日生まれ。ブラジルで生まれ、三重県で育った日本とイタリアのハーフ。ある日、ランエボを目撃してひと目ぼれ。お世話になっているショップ「HIR」の提案を受け、エボⅩを購入。初心者ながら2010年からジムカーナの地区戦と全日本戦に挑戦。