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クスコ長瀬監督のAPRC Secret通信

第8回

2010年、ついに念願だったアジアカップを獲得!
やっぱりチャイナラリーは相性バツグンでした

(C)ランサーエボリューションマガジン

2010年も09年同様、最終戦がラリーチャイナとなっております。この最終戦のチャイナは、毎年クスコチームにとって相性のいいラリーです。

この最終戦に標準を合わせ、全日本ラリー選手権では車両テストを行い、柳澤選手は愛知県の新城ラリーに、炭山選手は岐阜のハイランドマスターにマシンのテストを兼ねて出場しました。

両選手ともに久しぶりの全日本選手権、それもアジパシでは設定のないターマック(舗装道路)ラリーです。全日本選手に交じって、どんな活躍をしてくれるか? 非常に楽しみでしたが結果は……、やはりターマックラリーに慣れている全日本の選手たちには、とうてい及びませんでした。でも当初の予定どおりマシンのセットアップは確実に進み、ラリーチャイナは期待できる仕上がりになりました。

今回の国内テストは主に駆動系に重点をおき、エンジンマネージメントシステムのMOTECと、ACDのCAN通信の確認、ACDのモード変更による挙動の確認でした。ランエボの場合、最大の武器であるACDをどう使うかで大きくタイムに差が出ます。そこでTOPとのタイム差を見ながら、ACDセッティングを検証しています。

ラリーチャイナは「龍遊(ロンユー)」という、上海から南西へ約400㎞離れた場所で行われます。ちなみに、ラリーが開催される11月初めはこの地域では雨季にあたり、毎年イベント中は雨ですが、今年はなぜか快晴でした! 

今年は競合ぞろいの中国国内選手権との併催になったため、APRCのレギュラーメンバーに加え、イギリスのヒギンズ兄弟、ユシ・バリマキ選手、パトリック・フローディン選手、パトリック・サンデル選手など、PWRC&SWRCのトップドライバーがズラリ。毎年熱い戦いを繰り広げてくれるため、うちのドライバーと世界のトップとの差を比較できるのが非常に楽しみです。

今回のラリーは、グラベルとターマックのミックス。今までにない戦いも見ものです。ただし、ステージはミックスですが、タイヤはグラベルタイヤを使用するため非常に難しいラリーになります。

当然ですが、食べものは毎日、中華料理です。なじみのある日本人はなんとか食べ続けられますが、それでも1日3食、1週間連続はちょっと厳しい?

でもほかの国の人たちは、毎日ケンタッキーやマクドナルド、飲み物はコーラといったジャンクフードばかり。食べ物に関しては、日本人が有利かも(笑)。

今回の最終戦はAPRCもアジアカップも、優勝した人がチャンピオンとなるため、各選手気合いが入っています。APRCのチャンピオン候補は3名で、日本の田口選手、インドのガウラブ・ジル選手、インドネシアのリファット・サンガー選手です。アジアカップはトップ3名に加え、柳澤選手、炭山選手、アリスター・マクレー選手、クリス・アトキンソン選手が、チャンピオンをねらいます。とくに今回は、いつも以上に気合いが入っていた。

でも気合いは空まわり? DAY1早々にいろんなドラマが起こりました。まずトップの田口選手がクラッシュ、リタイアにより戦列を離れます。そしてシリーズ2位のジル選手も、コースアウトでリタイア。シリーズ3位のサンガー選手も、マシントラブルでリタイア……。

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クスコワールドラリーチーム監督 長瀬 努

長瀬 努
Nagase Tsutomu
クスコワールドラリーチーム監督

昭和36年7月26日生まれのO型。群馬県出身。1989年キャロッセに入社し、メカニック・営業・開発工場工場長を経て現在代表取締役社長。ドライバーとしては、全日本ジムカーナC1クラスの90年92年99年で全日本チャンピオンを獲得。好きな食べ物は高カロリーな食品で、嫌いな食べ物はヘルシーな食品とわかりやすい。

クスコ
http://www.cusco.co.jp/

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