トップページチョイ読みコラム>スーパー耐久レース オーリンズランサーチーム監督 山田基裕
スーパー耐久の裏のウラ

第7回

S耐マシンでポイントとなる耐久性チューン

エボⅩの耐久性とチューニングカーで
対策しておきたい必須ポイント

(C)ランサーエボリューションマガジン

ランエボに限らず、得てして予期せぬトラブルに振りまわされる新型投入のレース初年度。チームもエボⅩの投入で、当初よりある程度の苦戦は覚悟していましたが……、まさしく厳しいシリーズ展開となっている08年です(苦笑)。
 今シーズンも残すところあと2戦。最終戦のチェッカーを受けるまではけっしてあきらめずに戦います。変わらぬ応援、よろしくお願いします!

さて今回、エボⅩ企画のメインテーマが耐久性、ということで「S耐マシンでポイントとなる耐久性チューン」についてお話します。
当初エボⅩでのレースカー製作にあたり、当然といえば当然ですが、実際に走らせてみなくてはわからない部分が大半でした。まったくの新設計エンジンによるレースディスタンスでの耐久性。 そして昨今、市販車への安全基準が高まり、クラッシャブルゾーンの拡大に伴いボディは大型化。当然、車両重量は増加。はたして駆動系や足まわりなどにどれほど影響を及すか、部品強度はどこまで出ているのか。正直なところ、走らせる前は不安が期待を上まわっていたというのが事実です。

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そうしたなか十勝24時間レースを含む4戦を終了し、4B11エンジンはまったくのノートラブル。レギュレーションで、バランスどりと若干のポート段付き修正以外の変更・改造は認められていないため、特別な強化パーツをいっさい組み込むことができない。いわゆる市販車状態のまま、長時間の高負荷走行に耐えなくてはならない状況で、かつ100kg以上重量増となった車体をエボⅨと同じペースで引っ張るという条件下、ノートラブルで走りきるそのタフネスぶりは4G63に勝るとも劣らない、まさに「名機」といえるでしょう。
エボⅦからエボⅧ・MRまで長年にわたり、多くのデータを基に熟成されてきたCT9Aは、スーパー耐久レースにおいて今や、「キング・オブ・エンデュランス」という名称がふさわしい耐久性と強さを発揮しています。だが、重量ハンデを背負いながらも、そのCT9Aと変わらぬペースで走ってしまうエボⅩには驚嘆させられるばかりです。

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