ランエボに限らず、得てして予期せぬトラブルに振りまわされる新型投入のレース初年度。チームもエボⅩの投入で、当初よりある程度の苦戦は覚悟していましたが……、まさしく厳しいシリーズ展開となっている08年です(苦笑)。
今シーズンも残すところあと2戦。最終戦のチェッカーを受けるまではけっしてあきらめずに戦います。変わらぬ応援、よろしくお願いします!
さて今回、エボⅩ企画のメインテーマが耐久性、ということで「S耐マシンでポイントとなる耐久性チューン」についてお話します。
当初エボⅩでのレースカー製作にあたり、当然といえば当然ですが、実際に走らせてみなくてはわからない部分が大半でした。まったくの新設計エンジンによるレースディスタンスでの耐久性。
そして昨今、市販車への安全基準が高まり、クラッシャブルゾーンの拡大に伴いボディは大型化。当然、車両重量は増加。はたして駆動系や足まわりなどにどれほど影響を及すか、部品強度はどこまで出ているのか。正直なところ、走らせる前は不安が期待を上まわっていたというのが事実です。
そうしたなか十勝24時間レースを含む4戦を終了し、4B11エンジンはまったくのノートラブル。レギュレーションで、バランスどりと若干のポート段付き修正以外の変更・改造は認められていないため、特別な強化パーツをいっさい組み込むことができない。いわゆる市販車状態のまま、長時間の高負荷走行に耐えなくてはならない状況で、かつ100kg以上重量増となった車体をエボⅨと同じペースで引っ張るという条件下、ノートラブルで走りきるそのタフネスぶりは4G63に勝るとも劣らない、まさに「名機」といえるでしょう。
エボⅦからエボⅧ・MRまで長年にわたり、多くのデータを基に熟成されてきたCT9Aは、スーパー耐久レースにおいて今や、「キング・オブ・エンデュランス」という名称がふさわしい耐久性と強さを発揮しています。だが、重量ハンデを背負いながらも、そのCT9Aと変わらぬペースで走ってしまうエボⅩには驚嘆させられるばかりです。
ここで掲載している内容は、エボマガ紙面から一部内容を抜粋して掲載しています。「もっと読みたい!」というひとは、ぜひ本誌もチェックしてね! »
山田基裕
Yamada Motohiro
スーパー耐久レース オーリンズランサーチーム監督
オーリンズランサーチームを指揮し、2006年はSTクラス2のシリーズチャンピオンに輝く。チームのドライバーは「不動」と言われる中谷明彦選手と木下隆之選手。このふたりの有名ドライバー陣を巧みにコントロールするさまは見事というよりほかなく、レーシングチームの監督が天職なのでは?と思わせるほどの立ち回りぶりを発揮する。2007年も引き続き同チームにて参戦決定。